企業見学シャトル便レポート
鳥取県畜産農業協同組合(美歎牧場他)
訪問日2021/6/28
参加学生 農学4名
編集者 地域連携コーディネーター
〇会社概要
設 立 1980年
組合員数 100名(2019年1月)
業 種 酪農家で構成する専門農業協同組合
所 在 鳥取市若葉台南7-2-11(事務所、食肉加工センター)
概 要 ・酪農家農家である組合員が協同してその経営の生産能率を上げ、経済状況を改善し、社会的地位を高めることを目的とし設立。
・HACCP対応の最新設備による万全の衛生管理体制。生産から加工・流通・販売まで一貫した品質管理。美歎牧場と県下酪農家129名が育てた地元のおいしい牛肉を、徹底した衛生管理により、安全・安心と共によりリーズナブルな価格でお届けしている。
・鳥取県畜産農協では、主にホルスタイン(肥育)とホルスタイン(経産牛)及び交雑種
を中心に飼養から加工販売までを行っており、牛は生体(生きている状態)で700
kg~800kgあるが、肉として食べられるのは、1頭で250kg程度である。
・県内に直売センター(7カ所)を始め、「やきにく工房パオ」や「美歎牧場バーべキューハウス」で美味しい県産牛が食べられる。

【生後4か月位までの哺育施設】

【美歎牧場~ここで20か月位まで肥牛させる】
1.見学して印象に残ったこと、学んだこと
・飼料稲も畜産農協の方が生産しておられるということが印象に残った。またそれぞれの牛が飲んだミルクの量なども管理できるシステムがあることを学んだ。敷き藁としてシュレッダーにかけた紙を使用することで廃棄物を有効活用していることが印象的だった。
・哺育施設でも自動化が進んでいることを学べた。乳牛の搾乳などの自動化は聞いていたが、機械で乳を与えたり、牛ごとに餌の量を管理することは初耳だった。牧場ごとの哺育ではなく、集約的に哺育されていることを見学して、苦労をされているんだと感じた。
・価値の低い乳牛の雄牛に商品的価値を生みだし、利益を生み出す畜産家さん達の取り組みに感動した。また、私個人は畜産の現場がどうなっているか知らなかったので、仔牛のミル ク管理が全自動になっているのには驚いた。普段何気なく口にしているモノが、どのように 育てられているのか、その過程を知れたのはいい経験だった。
・牛の生育に応じて,牛を牛舎に移して飼育したり,牛 1 頭 1 頭をタグ付け したりなど徹底した管理体制で経営している点が印象に残った。牛が脱走 した際の牛の犯人探しや常習犯などの話が面白かった。そして,出荷直前の段階では,とにかく牛が大きく育つように集約的に餌を与え続けるといった段階に応じて飼育の方針が変わる点が興味深かった。
2.企業のよかった点、気になった点
・従業員の方が皆さん明るく、いきいきと仕事をされていた点が良かった。
・地産地消にこだわられているように感じた。精肉施設では組合で生産した牛肉を使用し、展開するお店で販売されていた。また、餌についても飼料用の米を生産し、牛の餌として与えていることは、耕作放棄地の問題などに貢献していると思った。
・気になった点では、畜産だけでなく、肉の加工・販売も携わっておられることはすごいと思った。また、複数の養牛場を持ち、それをうまく活用して効率よく牛の生産をしている点が素晴らしかった。牛の餌や床材にも様々な工夫があり、経営の努力がうかがえた。
・設定した量のミルクを子牛 1 匹 1 匹に自動化した装置で与えている点。そ の上,この装置は鳥取県内で美歎牧場にしかなく,かつ,与えるミルク量 を子牛 1 匹単位で調節・設定することができるところが魅力的であった。 また,牛の去勢をするときに用いる器具を初めて見ることができて良かっ た。
3.企業への要望や提案
・機会があれば和牛も見てみたいと思った。(可能であれば焼き肉も味わってみたい)
・牛の口をロープで縛るのは,出荷の際に必要ではあるものの,食肉加工においては不要
であり、牛の角を利用した工夫もありかなと思った。また牛角を粉砕したものを用いた商品
やあるいは牛の角そのものをお土産として販売して欲しいと思った。実際に自動化したミ
ルク装置で子牛に与えているところや,去勢の作業の様子も見学したかった。
4.他に見学したい企業
・話にも出ていたが、鶏卵の現場はとても気になり、また、個人的には県内農業をしている方の見学もできたら面白いと思った。
等々